足音

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6月の《YouGo》でもいっしょに演奏したピアニスト、
加藤景子
さんから、レコーディングに誘われて、
ヴァイオリンを弾いてきました。
 
ぼくも大尊敬しているゴスペルシンガー、
西村あき子
さんと加藤が、
現在作っているアルバムに収録される、
シンプルだけど、とてもあたたかいメロディを持った曲でした。
 
すでに録音されていた、
加藤のピアノとあっこさんの歌は、
お互いが、それぞれの音だけじゃなく、
呼吸まで、ちゃんと感じていて、
なおかつどちらもが、どこまでも自由という、
ふたりの関係そのものが伝わってくるような、
素晴らしいものでした。
 
そんなふたりが作り出した空間に、
ヴァイオリンを重ねていったんだけど、
サウンドチェックも終え、
本番テイクに入ったあたりで、
ふと、「真っ暗な中で演奏したいッ」と思い、
スタジオの明かりを消してもらいました。
これがまた、
自分でもおどろくほど、
気持ちが音楽に入っていくんだよねぇ。
っていうか、
突然スタジオを、真っ暗にしたいって思った自分にもびっくりしたけど。(笑)
 
 
ふたりと知り合ってから、
もう、かなりの年月が経つけれど、
加藤やあっこさんと、いっしょに音を奏でられることになった時は、
毎回とてもたのしみなのと同時に、
ほんのちょっぴり、緊張している自分がいます。
 
ふたりとも、
前回合わせた時から、
必ず《さらに先》を歩いていて、
そのことが、最初に放たれた音を聴いただけで、
どんな言葉よりも深く、伝わってくるから。
 
ふたりとセッションしている時間は、実にあっという間で、
たまらなくたのしいのと同時に、
「まだまだがんばらねばッ」って気分にもなるんだよねぇ。
もちろん前向きな意味でッ☆
 
こういう感覚を、
《刺激》って言うんだろうなぁ。
 
特に毎日のように顔を合わせたり、
頻繁に、情報交換しているわけでもないんだけど、
ふとした時、
「きっと今も、ふたりは音楽を奏で続けてるんだろうなぁ」なんて想っただけで、
「よ?し、オレだってッ」という気持ちにさせてくれる存在。
本当にありがたいと思ってます。
 
 
この間、
ドイツの思想家、ベンヤミンが残したという、
こんな言葉と出会いました。
 
ーーーー
夜のなかを歩みとおす時に助けになるものは、橋でも翼でもない。
友の足音だ。
ーーーー
 
いやぁ、
これ、
すんごくよくわかるッ!
 
自分が目指す方向へと、歩いている時はもちろん、
悩みや迷いの中にいる時だって、
一番心の支えになるのは、
応えや近道を教えてもらうことではなくて、
やはり今も、どこかに向かって歩き続けている、
ともだちの存在を感じた時。
それだけで、
気持ちがグッと前向きになるってこと、
ぼくも何度も経験してきたから。
 
久しぶりに会った、加藤やあっこさんが発する音だけでなく、
学生時代をいっしょに過ごしたり、
ともに音楽を奏でてきた、たくさんのともだち。
そしてもちろん、
ライブ会場や、
このホームページを通して出会うことができたみなさんを感じられる時が、
ぼくにとって、《足音》を聴いている瞬間なんだろうなぁ。
 
たとえ隣を歩いていなくても、
目指す目標は違っても、
お互いの表情までは見えなくても、
みんな、今もどこかに向かって歩き続けている、
そんな足音が聴こえるだけで、
大きな力をもらえているから。
 
まだ行ったこともない、
名前すら、読めないなんて街に暮らす人から届く、
講演ライブ
の依頼メール。
 
ライブをはじめとした、
様々な活動への感想を送ってくれた人から、
ひょっこり届く、近況報告メール。
 
そんなみんなの《足音》を聴けた時、
「まだまだ歌っていくぞ?ッ」という想いを、
あらためて、強くしている自分がいます。
 
 
今月16日から、
このホームページの
掲示板が本格的にリニューアルしました
 
そこへの書き込みや、
このブログへのコメント、
そして
メール
から、
みなさんの足音を感じることができたなら、
とてもしあわせです。
 
 
そうそう。加藤とあっこさんのアルバムは、
8月下旬に完成予定だそうなので、
発売が決まったら、
また報告しますネッ☆
きっと彼女たちの、
そして、ふたりを取り巻く人たちの足音が、
いっぱいつまったアルバムになってるんだろうなぁ。

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このページは、Mプロが2006年7月23日 15:52に書いたブログ記事です。

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