2006年7月アーカイブ

6月の《YouGo》でもいっしょに演奏したピアニスト、
加藤景子
さんから、レコーディングに誘われて、
ヴァイオリンを弾いてきました。
 
ぼくも大尊敬しているゴスペルシンガー、
西村あき子
さんと加藤が、
現在作っているアルバムに収録される、
シンプルだけど、とてもあたたかいメロディを持った曲でした。
 
すでに録音されていた、
加藤のピアノとあっこさんの歌は、
お互いが、それぞれの音だけじゃなく、
呼吸まで、ちゃんと感じていて、
なおかつどちらもが、どこまでも自由という、
ふたりの関係そのものが伝わってくるような、
素晴らしいものでした。
 
そんなふたりが作り出した空間に、
ヴァイオリンを重ねていったんだけど、
サウンドチェックも終え、
本番テイクに入ったあたりで、
ふと、「真っ暗な中で演奏したいッ」と思い、
スタジオの明かりを消してもらいました。
これがまた、
自分でもおどろくほど、
気持ちが音楽に入っていくんだよねぇ。
っていうか、
突然スタジオを、真っ暗にしたいって思った自分にもびっくりしたけど。(笑)
 
 
ふたりと知り合ってから、
もう、かなりの年月が経つけれど、
加藤やあっこさんと、いっしょに音を奏でられることになった時は、
毎回とてもたのしみなのと同時に、
ほんのちょっぴり、緊張している自分がいます。
 
ふたりとも、
前回合わせた時から、
必ず《さらに先》を歩いていて、
そのことが、最初に放たれた音を聴いただけで、
どんな言葉よりも深く、伝わってくるから。
 
ふたりとセッションしている時間は、実にあっという間で、
たまらなくたのしいのと同時に、
「まだまだがんばらねばッ」って気分にもなるんだよねぇ。
もちろん前向きな意味でッ☆
 
こういう感覚を、
《刺激》って言うんだろうなぁ。
 
特に毎日のように顔を合わせたり、
頻繁に、情報交換しているわけでもないんだけど、
ふとした時、
「きっと今も、ふたりは音楽を奏で続けてるんだろうなぁ」なんて想っただけで、
「よ?し、オレだってッ」という気持ちにさせてくれる存在。
本当にありがたいと思ってます。
 
 
この間、
ドイツの思想家、ベンヤミンが残したという、
こんな言葉と出会いました。
 
ーーーー
夜のなかを歩みとおす時に助けになるものは、橋でも翼でもない。
友の足音だ。
ーーーー
 
いやぁ、
これ、
すんごくよくわかるッ!
 
自分が目指す方向へと、歩いている時はもちろん、
悩みや迷いの中にいる時だって、
一番心の支えになるのは、
応えや近道を教えてもらうことではなくて、
やはり今も、どこかに向かって歩き続けている、
ともだちの存在を感じた時。
それだけで、
気持ちがグッと前向きになるってこと、
ぼくも何度も経験してきたから。
 
久しぶりに会った、加藤やあっこさんが発する音だけでなく、
学生時代をいっしょに過ごしたり、
ともに音楽を奏でてきた、たくさんのともだち。
そしてもちろん、
ライブ会場や、
このホームページを通して出会うことができたみなさんを感じられる時が、
ぼくにとって、《足音》を聴いている瞬間なんだろうなぁ。
 
たとえ隣を歩いていなくても、
目指す目標は違っても、
お互いの表情までは見えなくても、
みんな、今もどこかに向かって歩き続けている、
そんな足音が聴こえるだけで、
大きな力をもらえているから。
 
まだ行ったこともない、
名前すら、読めないなんて街に暮らす人から届く、
講演ライブ
の依頼メール。
 
ライブをはじめとした、
様々な活動への感想を送ってくれた人から、
ひょっこり届く、近況報告メール。
 
そんなみんなの《足音》を聴けた時、
「まだまだ歌っていくぞ?ッ」という想いを、
あらためて、強くしている自分がいます。
 
 
今月16日から、
このホームページの
掲示板が本格的にリニューアルしました
 
そこへの書き込みや、
このブログへのコメント、
そして
メール
から、
みなさんの足音を感じることができたなら、
とてもしあわせです。
 
 
そうそう。加藤とあっこさんのアルバムは、
8月下旬に完成予定だそうなので、
発売が決まったら、
また報告しますネッ☆
きっと彼女たちの、
そして、ふたりを取り巻く人たちの足音が、
いっぱいつまったアルバムになってるんだろうなぁ。

行ってきました神戸ッ☆

6月24日(土)、午後4時24分、
新神戸駅に降り立っての第一声は、
「あっつ?ッ」(笑)
すでに陽も傾きはじめているのに、
3時間前の東京とは、比べものにならない蒸し暑さ。

「こりゃ、明日の体育館も、
けっこう暑くなるかもね」なんて話ながら、ホームを歩きつつ、
ここからそう遠くはないはずの、
甲子園球状にも、想いをはせてみたりなんかして。

実はぼく、
インタビュー等で、「夢はなんですか?」と尋かれると、
「プロ野球オールスター戦、しかも、甲子園球場での始球式ッ!」と、必ず即答しているし、
次に生まれてきた時は、
絶対野球選手、
それも、ピッチャーになることに決めているので、
《甲子園》という響き、
まさにあこがれで、
たまらないものがあるんだよなぁ。

そしたらなんとッ!
今回お世話になった旅館は、
高校球児もよく利用しているとのことッ☆
しかも、おかみさんから、
「NHKの朝の連ドラ、《純ちゃんの応援歌》のシナリオも、
先代のおかみが語ったエピソードを基にして、書かれたものなんですよ」なんて話まで飛び出しちゃったもんだから、
俄然、テンション盛り上りました。


ところがッ!
さらにすごかったのが、
いや、すさまじかったのが、(笑)
今回の講演ライブを企画して、
色々と準備してくださった、PTAのみなさんッ!

いやぁ、みんな明るいッ♪
笑いというものが、DNAレベルで染み付いて、
完全にコミュニケーションの一部になってるみなさんからの熱烈歓迎には、
こちらも、遠慮なく炸裂させていただきましたッ☆(笑)
《探偵!ナイトスクープ》の話ができたのも、うれしかったなぁ。(笑)

もちろん、ただ笑ってるだけじゃなくて、
講演ライブにかける想いも、相当なもの。

「今までの講演会は、保護者のみを対象としていましたが、
今回はぜひ、子どもたちにも聴いてほしいと思っています」
一番最初に届いたメールから、
こんな風に想いを伝えてもらえたし、
いざ、顔合わせをした時にも、
わざわざ片道3時間かけて、もらってきてくださったという、
とてもきれいな音のする、
芸能のお守りまでいただきました。
この心づかいが、
また、うれしいッ☆

さらには、保護者の方の知り合いという、調律師の方は、
仕事の都合で、本番が観られないにもかかわらず、
体育館のピアノを、素晴らしいコンディションに整えてくれていたし、
自ら《トイレ番長(自称ッ)》を買って出たという、おかあさんにいたっては、
なんと、《サンポール》3本を使い、
控え室に一番近いトイレを、
ピッカピカに磨いてくれたという、
まさに、至れり尽せり状態ッ☆
トイレのドアを開けた時、
ただよう《香り》が、ぜんぜん違ったのには、感動すら覚えました。

こんな風に、
本番に向けて動いてくれたひとつひとつが、
とにかくありがたくって
それらを報告してくれるみなさんの声が、
これまた、どれも笑っていて、
あらためて、
「明るさって素晴らしいなぁ」と、
何度も感じました。


そうやって迎えた6月25日(日)。
本番当日は、午前5時半に起床ッ☆
前日はちゃんと早寝したので、
睡眠時間も7時間。
昨日より涼しく感じる朝は、
体調もすこぶる快調ッ♪
気になっていたお天気も、
なんとかだいじょぶそうだし、
窓の外を走る、車や阪急電車の音も、
のんびり心地よかったなあ。

ゆっくり温泉にもつかり、
おいしい朝ごはんもいただいて、
いざ、小学校へッ☆


午前7時過ぎ、小学校到着。
控え室で、ストレッチをしていたら、
突如、年配の男性が入ってきて、
おもむろに、テレビの電源のスイッチを入れると、
そこには、
機材を組み上げている体育館の映像が。

「えッ、これってどういうことですか?」と、おどろくぼくらに、
「せっかくなので、教室にも中継しようと思って」と先生。
いやぁ、これには笑ったッ♪

一見、クールな職人風で、
決して言葉数も多くない先生なんだけど、
「みんなにも観せたい」という気持ち、
うれしかったなぁ。

そんなわけで、
6年生だけじゃなく、
なんと、ほぼ全校生徒のみなさんの前で、
《生中継》で歌えることになったのでしたッ☆


午前10時45分、本番開始ッ♪
冒頭のあいさつから、
「テレビの前のみんな?」なんて叫んじゃったりもした講演ライブは、
実にたのしく、充実した時間でした。

今回も、汗もたっぷりかきながら、
いっぱいしゃべり、いっぱい笑い、
もちろんしっかり歌って弾いて、
フルスイング&全力投球ッ♪
あっという間の一時間でした。

最後の曲も歌い終え、
「アンコールッ」の声と、拍手が体育館に響く中、
「あと何分やれる?」と、マネージャー☆ナカジマに確認すると、
思ったより、
時間は残っているとのこと。

「こりゃ、MC短くすれば、
2曲いけるかもッ」ということで、
急遽、《あの娘とパジャマッ》で盛り上がることにッ♪

教室や音楽室で、テレビを観ていてくれた、低学年のみんなからも、
すこぶる好評だったようで、
思い切って、やっちゃってよかったッ☆

そして、最後に用意した、
《花星賛歌》を歌う前、
この日でラストライブとなった、
ギタリストスーさんを紹介した時に響いた、
静かに、でもずっと鳴り止まない拍手は、
まるでせせらぎのようで、
聴いていて、じ?んとしてしまうものでした。

この曲を歌っている時は、
いろんな思いが込み上げてきたんだけど、
それと同時に、
自分の体と、外の世界との境界線が、
どんどんなくなっていって、
ただ、音だけが、
そこに浮かんでいるような、
とても不思議な感覚がありました。


学校を後にして、
新神戸駅のホームに上がったのは、午後4時10分。
あと5分で、
東京行きの、《のぞみ》がすべり込んでくるというそのとき、
「太郎さ?んッ!」と、
スタッフだった保護者の方々と、
男の子が、
息を切らせて階段を駆け上がってきてくれたのも、
ほんっとにうれしかったッ★

「きっとまた会えるッ」と思えたから、
さみしくはなかったよッ☆

思い返してみれば、
神戸では、布団に入っていた7時間をのぞいて、
ずっとみんなといっしょに笑ってたような気がする、

新神戸駅のホームに降り立ってから、
帰りののぞみのドアが閉まるまで、
ほぼ24時間。
実に濃?い一日でした。(笑)


掲示板
にも、
たくさんのメッセージをもらえてうれしいですッ♪
そしてそして、
感想メールもたっくさん届いてるんだけど、
すまんッ!
まだお返事書けてませんッ★(苦笑)
これから書いていきますので、
気長に待っててくださいね。

もちろんまだまだ、
感想たのしみに待ってますッ☆


今回、体育館でライブ参加してくれた6年生は、
阪神淡路大震災が勃こった年に、生まれたとのことだけど、
その数年前、
ぼくは神戸に住む、
大切なともだちを亡くしました。

高校を卒業して、
音楽を学びはじめて知り合った、10歳年上の彼は、
いつもおだやかに笑っていて、
ぼくが新しい曲を聴かせる度、
「太郎ちゃんは、将来絶対大物になってると思うでぇ」と、
くちびるのはしっこをゆるめながら、
何度も何度も言ってくれてた人でした。

そんな彼のお墓参りに行ったのは、数年前。
やっぱり今のように、
暑い盛りの頃。

汗をびっしょりかきながら、
彼の眠るじゃりの上に立つと、
突然、低くうなる羽音とともに、
一匹の大きな蜂が飛んできました。

実はぼく、
蜂とかトンビとか、そういったヤツらに、
どこからどう、攻撃されるかわからないって状況が、
こわくてこわくて仕方ないんだけど、
なぜか、その時は、
妙に落ち着いていられて、
こわさも不思議と感じなかった。

暑い日差しに照り付けられながら、
ただ、じっと立っていると、
蜂はお墓の上を何度か旋回した後で、
まっすぐぼくの方へと向かってきて、
そのまま左の首筋をスッとかすめると、
夏空の向こうへと消えてゆきました。

あの時の羽音と、
首筋の感触は、
今でもはっきりと覚えています。


今回は、お墓参りには行けなかったけど、
また彼に、会いに行きたいし、
甲子園にも行かなくちゃだし、
せっかくだから(?!)鶴橋まで足を伸ばして、
《風月》のお好み焼きも食べたいし、(笑)
なによりまた、
みんなといっしょに大笑いしたいので、
神戸のみなさん、
また呼んでくださいネッ☆

その時をたのしみに、
まだまだ歌い続けますッ!

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